theaterがセールをしない理由

 

こんにちは。

いつもtheaterのブログを読んでいただき、本当にありがとうございます。

 

今年はこんな状況になってしまったこともあり、

夏のセールを前倒しにされているお店が多く、

もうすでにスタートしているところも多数…

 

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ご存知の方も多いと思いますが、

theaterは夏も冬も、セールを一切行いません。

 

その理由について、

実は今年1月にも書いたのですが、

そこから新しいお客様もありがたいことに、たくさん増えましたので、

前に書いたものに加筆する形で、

改めてここで書いておこうと思います。

 

結構長くなりますが、

よろしければお付き合いくださいね。

 

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theaterがもうちょっと安定してきて

自信を持ってデザイナー様にお目にかかれる日が来たらアポイントを取って、

お取り扱いさせていただけないかご相談させていただこうと思っている

ブランド様のひとつ;KICS DOCUMENT(キクスドキュメント) のデザイナー様が、

「SALEについてのお話」というタイトルで

年末に書かれていたブログの内容が、共感しかなくて衝撃的だったんです。

 

▼「SALEについてのお話」

https://kicsdocument.official.ec/blog/2019/12/26/120657

 


KICS DOCUMENT の直営店が

シーズンセールを行わない理由/背景にある考え方が書かれているのですが、

ここに書かれていることが、

theaterがセールを行わない理由と重なる部分がとても多いので、

「なんでセールやらないの?」と思われている方は、

ぜひ一度読んでみていただけたらと思うのですが、

 

わたしの言葉でも、

わたしの、セールについての考え方を書いていきます。

 

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自分のお店をやると決めたときから、

絶対にセールはやらないと決めていました。

 

そう考えるようになったのは、

前職の5年間の百貨店勤務での経験が大きいかもしれません。

 

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百貨店では、毎月のように、カード会員様を対象に

そのシーズンに入荷したばかりのアイテムを、

定価から1割引や2割引で販売していました。

さらに、シーズンのセールもどんどん前倒しになっていく傾向があり、

再値下げでさらに価格を下げながら、長々とセールの期間が続いていました。

 

私自身は、5年間の勤務の中でも最後のほうはさすがに

マネジメント的な仕事が多くはなっていましたが、

それでも最後まで売場にいたので、

接客・販売は最終出勤日までさせていただいていて、

退職するまでたくさんのお客様と直接関わらせていただいておりました。

 

その中で本当に悲しかったことが、

 

定価の値札で売場にあるときと、

割引になったとき/セールの赤札を貼った状態のときとでは、

同じ商品でも、

お客様の、商品のお取り扱い方がとても変わってしまうこと…

 

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定価の値札が付いているときには、

両手でそっと、大切に、手にされていたのに、

 

それがセールになったとたんに、

片手で、とても丁寧とは言い難い扱いをされていくアイテムたち…

 

「そんなわかりやすく、そんなことある?」と

思われるかもしれませんが、

悲しいことに、これは5年間ほぼずっと目にしていた光景でした。

そして残念ながら、一部の限られたお客様、というわけではないのです…

 

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信頼しているお取引先様が

誠意を持って作られているアイテム…

その中から、自分が悩みに悩んでセレクトしたアイテムの数々が、

そんなふうに扱われていくことが、本当に悲しくてもどかしくて仕方がありませんでした。

 

店頭でこのような扱いをされているということは、

おうちにお持ち帰りされたあとは、いったいどんな扱いをされるんだろう…と、

想像するたびにつらくなりました。

 

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もちろん、お代金を頂戴して、商品をお客様にお渡しすると、

その商品はお客様のものとなるので、いわばお客様の自由。

わたしがどうこう言う権利はないことはわかっています。

 

でもやっぱり、

自分が自信を持っておすすめできるものだからこそ、

丁寧に扱っていただきたいし、

長く大切にしていただきたいと思ってしまうのです…

 

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そんな経験があるからか、

価格を下げて販売することに対して、

つまり、セールを行うことに対して、

強い抵抗感があるというか、

強くこだわってしまうところがあるのかな、と思います。

 

決して、百貨店のやり方を悪いと言っているわけではなく、

セールをされている他店様を批判しているわけでもなく、

そしてもちろん、お客様が悪いわけでもありません。

 

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お店としては、

そうは言っても売上というのは何より大事なものです。

 

資金繰り的な問題で、

在庫をちゃんと消化していかないと、

次シーズンのアイテムを仕入れられません。

 

その手段としては

セールという方法が、最も良いものなのかもしれません。

 

次シーズンのアイテムを仕入れられなくなると、

それらを楽しみにされているお客様にも、

先にオーダーさせていただいているお取引先様にも

大変なご迷惑をお掛けしてしまうことになってしまいます。

 

売るためには、きれいごとばかり言ってはいられないのもわかります。

実際、今年の年明けは、周りが絶賛セールムードな中で

一切セールをしていなかったtheaterは

幸先最悪な2020スタートを切ってしまって焦りもひとしおでした。

これだけ語っているにもかかわらず、

やっぱりセールしようか…と毎日閉店後にひとりでつぶやいたくらいでした(絶対しないけど)

 

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そしてお客様にとっては、

良いものがお安く手に入れられることはやっぱり嬉しいことです。

 

何よりわたし自身も

セールアイテムを購入することは、もちろんあります。

 

なんなら、たとえばセールで購入したアイテムについて

「これはまあセールで買ったものだから…」なんて言って

少々雑な扱いをしてしまったことだってあります。

安く手に入れてしまうと、どうしてもそういうことってあるものなのかもしれません。

 

あと、普段は手が出ないアイテムでも

セール価格になっていることで挑戦できたり…とか、

そういうポジティブな面もありますよね。
 

すごくわかるんです。わかるんですけど、

 

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それでもやっぱり、

わたしはセールはしたくありません。

 

それはやはり、

”価格を下げること=価値を下げること” に

なってしまう可能性があるから。

 

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…世の中の決まりごとのようになってしまったシーズンセールですが

私は渾身の商品たちの値段を簡単に下げて安売りをしてしまうことに、ずっと疑問を抱いてきました。

ただ数ヶ月間のシーズンが終わったからと言って、価値が下がることのないもの作りをしているからです。

品質面・デザイン面どちらに於いても「来年になったら着られない」というものは、私の作るものに一つもありません。…

(※先ほどのブログ記事から引用させていただきました)

 

KICS DOCUMENTのデザイナー様がおっしゃっている通り…

theaterでセレクトさせていただいているアイテムにも、

シーズンが終わったからといって、価値が下がってしまうものはひとつもありません。

 

何の肩書もなく岡山からひとりで現れたわたしのことを信用して、

お取引きを決めてくださった、

心から尊敬しているデザイナー様たち・スタッフの皆様方がデザインされ、

厳選された貴重な素材を使い、多くの職人さんたちによる多くの手間暇を掛けて、

ひとつひとつ丁寧に作られたアイテムたちを、

 

決してその価値を下げることなく、お客様にお届けしたい。

 

そして、

お買上げいただいたお客様にはどうかいつまでも、

アイテムを大切にしていただきたいと思うのです。

 

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価格に関わらず、ちゃんと大切に扱ってくださるお客様が

たくさんいらっしゃることは、本当によくわかっています。

 

それでもやはり、価格を下げることで、

アイテムの価値を下げてしまう可能性が、今の状況では確実にある以上、

theaterではセールは行わないという姿勢を継続したいと思っています。

 

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あとは単純に…

たとえば7/1からセールが始まったとして、

それを、たとえば6/25にお買い上げいただいたお客様が知ったとき、

どう思われるでしょうか。

 

「いや、でももしかしたら売り切れてたかもしれないし」なんて

自分に言い聞かせたりもするんでしょうけど、やっぱりちょっとショックです。

 

せっかくお気に入りのアイテムと出会えて、楽しくお買い物できたはずなのに、

もやもやをしばらく引きずってしまうかもしれません。

 

そのお客様にとって、

6/25にtheaterで過ごしたその時間そのものが、

あんまりよくないものとして残ってしまいそうで…

 

それはわたしにとって、本当に何よりもつらいことなのです。

 

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…この12月、世間ではどんどんセールがスタートする中、

当店で定価でお買い求め下さるお客様がたくさんいらっしゃいました。

「あなたの作った服、そういう価値があるよ。」と言って頂いているようで、

とても、とても嬉しい思いでした。本当にありがたいことです。

直営店でセールをやらないと宣言することは勇気のいるものでしたが、

今回そういったお客様たちが改めて正しい方向を教えて下さったように感じています。…

 

 

KICS DOCUMENTのデザイナー様もおっしゃっていますが…

これについても、実はわたしも同じような経験をさせていただいています。

 

絶賛セールムード一色な年始、

当たり前のように定価でお求めくださったお客様には、本当に感謝しかありませんでした。

 

「セールをしないって、すごくいいと思います」

「(theaterの考え方)すごく共感できます」と、

わざわざ言ってくださる方も何人もいらっしゃって、本当に救われる思いでした。

本当にありがとうございました。

 

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セールをしない代わりに、というわけではないですが、

そんな中でもお客様に少しでも還元していきたいという思いで始めたのが

LINE公式アカウントのショップカードや

オンラインショップでの次回使用できるクーポンコードの配布。

 

LINE公式アカウントのショップカードの還元率は、

たぶんお客様がお持ちのポイントカードの中では断トツかと思います。

 

「セールはNGで値引きはOKなの?」という声が聞こえてきそうですが、

 

ポイントカードをためて得られる値引きチケットや

オンラインショップの値引きコードは、

theaterでお買い物をしていただいている方への"特典" という位置づけであるというのと、

 

わかりにくいかもしれませんが、

”お会計金額からの値引き" であって、

はじめから"商品の価格を下げたものを販売する" =セール とは違うと考えています。

 

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そして、そういったこと以上に、

"アイテムを得ること以上の満足感"をご提供していくことを、常に考えていたいです。

 

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"物欲が満たされたらいい"という時代は、もう終わったのではないかと思っています。

 

詳しい商品知識を得られたり、ちょっと特別感のあるサービスがあったり、

快適な空間でリフレッシュできたり、

オンラインショップであれば、ちょっとしたサプライズやイベントであったり…

 

あらゆる面で"満たされる"体験を、ご提供したい。

 

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今まさにご好評いただいているドリンクサービスや、

GWの自粛期間中に行っていたCARD de GIFTのイベントなども

ささやかなものではありますが、それにあたります。

 

theaterでお買い物をするプロセスすべてに価値を感じていただけるように、

お客様にとって、"記憶に残るお買い物"になりますように…

 

店内の居心地をより良くする工夫や、

思わずオンラインショップでお買い物をしたくなる工夫を

これからも考えて実践していきたいと思っていますので、

 

どうかご期待いただけたら嬉しいです。

 

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きっと、なかなかご理解いただけない部分も多かったかもしれませんし、

いろいろと突っ込みどころや反論、ご指摘もあるかもしれませんが…

今わたしが考えていることをお伝えしておきたくて書きました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

いつも本当に、ありがとうございます。

 

これからも、

theaterをどうぞよろしくお願いいたします。

 

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